遺言書作成

 相続制度においては、相続人はだれか・個々の相続人の持ち分はどのくらいか、という事項は「民法」という法律に詳細に規定されています。原則として、亡くなられた方の遺産は、この民法のルールに則って、「相続人全員の共有」となります。そして、この共有状態を解消するためには、相続人全員による「遺産分割協議」、すなわち、どの財産をだれが取得する、という話し合いをする必要があるのです。

 しかし、必ずしもこの話し合いがまとまるとは限りません。相続人の間で、解決の糸口の見えない争いに発展してしまうことがよくあります。さらに、相続人の間のみならず、その配偶者や子供までが口出ししてきたりして、まさに骨肉の争いになることもあります。
こういう事態にならないようにするためには、自分が死んだ後のために「遺言書」を残しておき、どの財産をだれに残すかを明記しておくとよいのです。遺言書に書かれていれば、話し合って決める余地がなくなるので、将来の争いは避けられるのです。
遺言書には、大きく分けて次の2種類があります。


・「自筆証書遺言」
ひとことで言うと、「自分で書いて、自分で保管する遺言書」です。そのため、後述する「公正証書遺言」とは異なり、遺言書作成費用はほとんどかかりません。
しかし、「手書きでないとダメ(=パソコン・ワープロで作成するのはNG)」「作成日付を特定していなければダメ(=「○年○月吉日」はNG)」など、書式上の厳格なルールがあり、これを守らなければせっかく作成した遺言書は無効となります。

また、作成した遺言書の保管場所も悩ましい問題です。見つけやすい場所に保管すれば誰かに発見されて遺言書が変造されてしまう可能性があり、逆に、あまりにも見つけにくい場所に保管すると、こんどは自分の死後遺言書が発見されない可能性があります。
つまり、この自筆証書遺言は、費用はほとんどかからないのですが、あまり安心できない遺言書なのです。


・「公正証書遺言」
公証人役場において、公証人と証人2人の立会いの下に作成する遺言書です。
この遺言書は、公証人が作成してくれますので、自ら手書きする必要はなく、書式上の厳格なルールに頭を悩ませる必要もありません。
また、公証人役場で遺言書の原本を保管してくれますので、遺言書が変造される心配や、発見されない心配もありません。
しかし、当然ながら、公証人役場における手数料がかかります(財産価格によって異なりますが、数万円と考えていただいてけっこうです)。
このように、公正証書遺言は費用がかかりますが、安心できるものですので、当事務所ではこちらをおすすめしています。

遺言書作成の手続きは、当事務所におまかせください。